◆本記事のポイント
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小規模事業者持続化補助金の制度概要を理解して申請準備を行う
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着手する際に補助金・助成金の制度詳細を整理する
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晴れて採択された後の仕事を詳細化する
◆詳細
●小規模事業者持続化補助金の制度概要
小規模事業者持続化補助金、”持続化補助金”と略されますが、年に何回も応募できる機会があります。(令和〇年度 第11回等)
以下の認識をもっていれば、問題ないかと存じます。
- 制度自体、10年近くも続いている。毎年、10回程度の募集がかかる。
- 創業1年目でも応募可能
- 中小企業庁の小規模の定義に当てはまる(詳細は省きますが、従業員5人未満だったら当てはまります。)
- 対象経費の範囲が広い(車両やPCなど汎用性の高い経費は対象外ですが)
- ただし、経費区分の上限額が決まっている(システム費用は50万円が最大。等)
- 電子申請手続きのため、GBIZIDが必要
- 申請時点では、経費の正式見積書の添付が不要
- 申請でゼロから作成する書類は事業計画書
- 加点制度がある。(特定創業支援事業の証明書など。年度毎・各回で制度の詳細に変化がありますが。)
- 何度も採択を受けられる(年度が切り替わったら採択受けられる。年度ごとの制度によりますが、5回分空いていたら申請可能など。第1回で採択されたら、第7回から申請・採択の可能性がある。など)
毎年、申請できるので、事業計画書を整理するつもりで年間スケジュールにいれるのがお勧めです。
事業計画書の整理では、
自社でどんな取り組みをしたいかな?
どんな設備があったらいいかな?
ヒト・モノ・カネ・情報、投資するとしたら、何がいいかな?
どんなことをしたら、自社(自分の)作業時間が削減できるかな?
どんなことを顧客から言われて(顧客の、○○だったらな~)いたかな?
などを書き出すことから始めます。
これらを骨子に、小規模事業者持続化補助金の審査項目にあてる様に書いていきます。
審査項目は、持続化補助金の募集要項に書いてあります。
もし、よくわからなければ、
事業計画書作成に応えるだけでまとまります。(思いついたときに、2~3分ずつ、音声入力で入力できます。)
●着手する際に補助金・助成金の制度詳細を整理する
小規模事業者持続化補助金に限らず、殆どの補助金・助成金が、実績報告完了後3~6ヶ月後に入金されます。
実績報告の前に、以下のタスクがあります。時間を降順に(将来=入金、から現在=申請着手)、タスクを並べます。
以下のタスクを並べて、支払い箇所を考慮すると、補助金・助成金申請を成果報酬型の契約で外部委託した場合、手元に残る入金額は皆無です。
タスク通番 | イベント | 補足(申請代行業者※に頼んだ場合の出金はこちらに書きます。)
※ 着手金20万円、成果報酬10% と設定します |
19 | 入金(仮に 250万円とします。) | 実績報告を委託する場合:交付申請額×成果報酬額を支払
= 250万円 × 10% =25万円 |
18 | 実績報告審査完了 | |
17 | 実績報告申請 | |
16 | 実績資料整備 | |
15 | 補助金・助成金事業の成果物完成 | |
14 | 事業推進、成果物作成 | |
13 | 契約手続き=委託先への支払 | |
12 | 交付申請書採択(補助金額が確定するタイミング※) | |
11 | 交付申請(着手する意思表示) | |
10 | 見積選定 | |
9 | 見積取得 | |
8 | 要件定義書作成 | |
7 | 採択 | 申請代行に委託する場合:交付申請額×成果報酬額を支払
= 250万円 × 10% = 25万円 |
6 | 審査期間 | |
5 | 補助金・助成金の申請 | |
4 | 事業計画書完成 | 申請代行に委託する場合:着手金を支払い =20万円 |
3 | 概算見積額の取得 | |
2 | 要求事項整理 | |
1 | 事業企画 |
入金 250万円 あるから、申請代行トータルで75万円はらっても、手元に175万円が残るから・・・ と思われたら、、、
経費管理を案件ごとに見ていないことが露呈しています。
以下に詳しく説明します。
小規模事業者持続化補助金の補助割合は、2/3が一般的です。(3/4というときもありましたが)
つまり、補助金の入金額250万円を獲得するには
投資する経費は、250万円 × 3/2 = 375万円
375万円の投資金額に、更に、申請代行の総額75万円を投じると、総計450万円かけた案件となります。
450万円かけて、タスク通番19時点で、回収できている金額が175万円。 未回収金額:275万円
なんなら、補助金額確定する前に(埋没コストになるかもしれないのに)、45万円投じてます。
ここまでを比較すれば、375万円かけて、250万円を補助金額の確定を目指し、
未回収金額を125万円(375万円-250万円)から案件をスタートした方が、申請代行と比較して54%、回収は楽になります。
もちろん、申請代行を選ぶ意思決定を尊重します。
ただし、
数値管理せずに、意思決定したことにしている・・・・
理論なく決めている(営業に流される)・・・・としたら
助成金申請代行会社の都合の良い客です。
以前、私が、初めて経営革新計画の承認手続きを進めるため、承認手続きを丸投げで受ける会社の説明会に行ったことがありました。
やっていること、委託した結果に訪れる案件の収支は、上記の様にコスト圧迫で始まることに変わらない。と感想を得ました。
経営革新計画の承認手続きを外部委託に調査したら・・・は別の記事で記載します。
話を戻すと
資金繰りに超絶な余裕がない事業であれば、
入金サイトと支払いサイトを比較して、支払いっぱなしの状態(未回収期間)が長い話は乗らないことをお勧めします。
●採択されたタイミングより仕事を詳細化して、補助金額が確定したタイミングを祝うべき
上記までのタスクで、採択されたタイミングで嬉しくなりそうですよね?
もちろん、記載した事業計画書が認められて嬉しくなります。
但し、本当に祝うタイミングは補助金額が確定したタイミングです。
そのため、採択された時点では、「見積を精緻化する仕事にとりかからなきゃ!」と考えることが重要です。
なぜなら。
採択から、実績報告まで10か月程度の期間が切られているからです。
単純に平均にすると、1タスク=1ヶ月で進めるペースです。
(要件定義も成果物作成も、乱暴に押し並べているので、もちろんスケジュールに濃淡はありますが、期限があることには変わりません。)
実績報告しないと、補助金入金はありません。
そのため、事業計画書作成時点で、詳細化した見積書の取得を手間なく・楽にできるように、要件定義のスキルを高めることをお勧めします。
これは、小規模事業者持続化補助金だけでなく、すべての助成金・補助金に通じるコツ・スキルです。
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