◆本記事のポイント
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月々の残高試算表の管理の大切さ
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資金ショートがいつ到来するかいつでもどこでも直ぐわかる状況にしておく
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赤字が続くことが終わりではなく、様々な作業や行動をあきらめたら終わり
◆詳細
新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、店舗経営においては、3期連続で営業赤字となっており、売上の3割の額が赤字額となっていました。
店舗での創意工夫は毎月ように行い販売促進計画から集客を狙い続けていました。1~2%程度の売上上昇はあるものの、
売上の3割増加させる好転結果は得られない状況が続きました。
仮に、月1%の売上上昇をすると仮定して、売上の3割まで上昇させるのに、30ヵ月の期間が必要となりますが、
商圏顧客の数量が現状であることを前提としても資金ショートする期限の方が早く迎えることがわかりました。
そのため、融資申請をする意思決定をしました。
しかし、この時、既に年間売上と同じ額の融資を受けていました。
追加融資は難しいのではないかとの思いもありましたが、経営革新計画の承認も得ていたので、
これがどの様に反映されるか知りたい気持ちもありました、そして、「融資が断られた時の対策」も用意した上で、申請することにしました。
時は、コロナ禍のため申請手続き自体は、オンラインで完結されており、
必要書類も、前回通り(コロナ融資は日本政策金融公庫から受けており2回目の申請でした。)
履歴事項全部証明書など在宅で手に入れられるものばかりなので、簡易でした。
このとき、「対策」のため事業計画書も用意しました。
申請後、往訪と説明を求められる面談を設けられ、後日審査結果が伝えられるという運びとなりました。
結果は、1円も追加融資できないとの回答でした。
回答受領後、間髪いれず、「既存の融資番号xx-xxxxのリスケジュールをお願いします。事業計画書のP.xに記載の項目の通り進めたいです。」
と申し出をしました。
「融資が断られた時の対策」として、0円回答であれば既存の借入金額の返済スケジュールを見直しの必要性を予め、
事業計画書に記載していました。
前述の通り、営業黒字化に30か月かかるため、資金ショートする月日が到来する時限を先送りする必要がある旨を事業計画書にページを割いていました。
念押しで、面談の際でも、
「0円回答の場合、資金ショートがわかっているため債権者(金融機関)様にご迷惑がかかってしまうので、返済計画を見直す必要がありますが、いかがでしょうか?」
と伝えてました。
担当者としては、「破産されては困る。さらに法的整理されては全く返済されない。」とモチベーションが働くので
返済計画のリスケジュールを断る理由はありません。
そのため、直ぐに、「12か月返済金0円、金利は据え置き」を認められました。
更に、日本政策金融公庫だけでなく、他の金融機関に向けてリスケジュールを依頼しても、「12か月間0円、金利据え置き」が認められました。
仮に、法的整理(裁判所の元、破産管財人が全債権者へ、Aさんは、○○円、Bさんは▲▲円返済されて、会社は破産します。と決めること)
する場合、原則、債権者平等の元に進めるので、一方の金融機関のメリットが一方の金融機関のデメリットにならないよう調整するため
公庫がリスケジュールを承認するが、ほかの金融機関が貸しはがし、破産に追い込むとは考えられません。
そんな作戦がハマり、12か月間の延命(=リスケ)を勝ち取ることができました。
リスケ後は、時間が許す限り、新型コロナウィルス感染症対策の助成金を活用したり融資制度を利用したりしながら、
営業赤字を埋めるべく試行錯誤をしました。
資金ショートの月日を延命することができたが、年間の借入金の返済額を網羅した営業黒字化を果たすためには、
既存の業務プロセスを大きく変える必要があります。
具体的に、来店を前提とする事業であったため、固定費のうち、家賃が主になります。
そのほかの経費を削減する事業計画を練っていきます。
完全無人化の受付・事前決済化・顧客へ受付コードの自動配布と読み取り機能・24時間利用可能・AIカメラ導入よる緊急事態を検知できる安全性担保・店舗案内用のディスプレイ・ディスプレイに表示する動画、画像の準備・・・・等
これらを用意できれば、営業赤字を解消し、経営回復が実現できるため、融資申請をしましたが、0円回答でありました。
経営革新計画書の承認を得ていましたが、黒字になっていないと返済に回す原資がエビデンス
(営業利益が黒字化しており返済に回せるとした決算書)として提示できない理由から、融資は見送りと通知されました。
ただ、エビデンスを提示するまで、事前投資が必須のため、資本がないことには現実的ではないと判断しました。
債務と、総資産から金銭に変換可能な部分を比較しても法的整理し、破産手続きが必要な数値であったため、
一瞬、会社を廃業の選択肢もありました。
しかし、7年間の間に集客した名簿6万件、日々の購買データ(POSレジと個人情報を紐づけた購買情報)、など、ブランド価値があるかどうかに
見極められていない状況で破産手続きは早いのではないかと考え、救済措置を調べました。
それが、株式譲渡でした。
詳細について、別記事にしますが、お伝えしたい内容は、日々、試算表をリアルタイムに管理し、資金を残すための手立てをできる限り行い、
一朝一夕でできない、自社のこれまでで培ってきたことがらを第三者へ説明する資料の作成を事業計画書作成の切り口で進めてました。
このことは、今振り返っても、あきらめない姿勢であったと表現できます。
失敗しない起業の方法がわからない、事業に詰まっている、MAを考えているがどうやって相談していいかわからない等
のご相談も含めてお声がけください。
ぜひ、お気軽にご相談を入れてください。
お待ちしております。
スタートアップサポーター